映画『十二単衣を着た悪魔』三吉彩花インタビュー
特集インタビュー
2020年11月05日 21時00分
多くの名作を生み出してきた脚本家・小説家の内館牧子が「源氏物語」を題材に、奔放で強い女性によって成長していく青年の姿を描いた長編小説「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」を元に実写化、映画『十二単衣を着た悪魔』として、2020年11月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開される。
監督を手がけたのは、日本を代表する女優であり、『嫌な女』(16)以来4年ぶり、長編2作目となる黒木瞳。2012年の初版時から原作を愛読し、長年の映画化への思いを見事昇華させた。
何でもできる優秀な弟に対し、引け目を感じて大いに悩み、『源氏物語』の世界の“住人”になってからも悪戦苦闘する青年・伊藤 雷に扮したのは、主演の伊藤健太郎。妥協や忖度を一切しない弘徽殿女御(こきでんのにょうご)や運命の女性“倫子”と出会い、自分の存在価値を見つめ直し、少しずつ成長していく。
ブレずに信念を貫く、弘徽殿女御のカリスマ的なキャラクターを体現したのは、三吉彩花。「カワイイ女はバカでもなれる。しかし怖い女になるには能力がいる」「能書きはいらぬ。男は能力を形にして示せ!」など、彼女の歯切れの良いセリフの数々は〈弘徽殿語録〉としてまとめたいほど。社会が求める“女らしさ”の枠をブチ破る発言と実行力は、世代を超えて多くの観客を惹きつけるはずだ。
雷の妻となる可憐な“倫子”には伊藤沙莉。他にも田中偉登、沖門和玖、細田佳央太、戸田菜穂、ラサール石井、伊勢谷友介、山村紅葉、笹野高史、さらにはLiLiCoやEXIT兼近大樹など個性豊かな豪華キャストが集結。平安時代の優美なセット、煌びやかな十二単衣も目に鮮やかで、スタッフワークも充実!音楽・山下康介、雅楽監修に東儀秀樹、そして主題歌にはOKAMOTO’Sが「History」を書き下ろし、この新感覚の異世界人生シミュレーション映画との“コラボレーション”を果たしている。
今回、本作で弘徽殿女御を演じた三吉彩花を直撃!! 美しい十二単衣を身にまとってみての感想や、黒木監督によるマンツーマンでの演技指導、パリ1人旅中に起きたハプニング、三吉にとっての「悪魔」「天敵」「これだけは苦手」なものなど、秘エピソードが満載♪
Q.今回、弘徽殿女御を演じてみていかがでしたか?
三吉彩花(以下、三吉):ここまで強い女性を演じるというのが初めてで、黒木(瞳)監督に、台詞の読み合わせを2人でやる機会をとてもたくさん作っていただいて。台詞のトーンや言い回しとか、基礎みたいなものを寄り添いながら教えてくださって。現場では戸惑ったり、不安になったりすることがほとんどない状態でお芝居ができたので、弘徽殿女御は監督に作っていただいた役だなと感じます。
Q.具体的にどういった部分を黒木監督はこだわっていましたか?
三吉:本当に基礎ですが、活舌、強弱、声のトーンなど、「もう2個高く言ってみて」や、音楽的な感じで教えていただいて。だんだん吸収できるようになってきて、楽しみながらできました。
Q.そういうことは、ほかの監督さんではあまりないですか?
三吉:初めてですね。きっと黒木監督も役者をやられているという部分で、私たちに寄り添って親身に教えてくださったんだと思います。
Q.もともと着物やお琴など、和風文化に興味はあったのでしょうか?
三吉:お琴はまだやったことがないですが、なんとなく経験してることがとても多くて。お茶とか、華道とか、着物も一応自分で着付けができます。ただ十二単衣は今回初めて自分で触れて、着物は布一枚で全然印象が違うんだな、と。現場で衣装合わせをしながら、勉強になりました。
Q.実際、十二単衣というのは重たいのですか?
三吉:重たいですね。今回は十二枚しっかり着ていました。もちろん着やすいように衣装部のみなさんが縫ってくださって、撮影の時は1回で全部着られるように配慮していただきました。衣装合わせの時は1枚ずつ合わせて、どの色が上がいいか、下がいいか、脱いで、もう一回着て、重ねて、また脱いでというのをずっとやっていたので、なかなか重みを感じました。
Q.ピンクや黄色などカラフルな着物を着ていらっしゃって、すごく素敵でした。「この場面ではこの色の着物」というのは、どういったふうに決めていきましたか?
三吉:衣装合わせをしながら、監督にすべて決めていただきました。(弘徽殿女御が)年齢を重ねていくごとに、だんだん色味も少しずつ渋く、深い赤になったり、落ち着いた柄になったり。少しずつ変化はあるのですが、何パターンかたくさん着て、監督に決めていただきました。
Q.黒木監督から特訓を受けて、いかがでしたか?
三吉:特訓のときは、監督と2人きりでずっとやっていました。なかなか弘徽殿の女御まで(気持ちを)強く持っていけなくて。弘徽殿の女御は全く躊躇せず、自分の思ったことを言って、かつ、正しいことを成し遂げようとしていて。その自信みたいなものが、そもそも三吉彩花じたいにそんなになくて。毎回(監督の指導を)録音して、家に帰って聞き直して、台本をずっと見ていました。久しぶりに家のお風呂でも、ずっと台詞の練習をしていました。ですが、本当にやってよかったな、と思います。
Q.今回、主人公の雷と水、朱雀帝と光源氏がライバルのような関係で話が進みますが、ご自身も一緒に切磋琢磨しながら成長していった友達や仲間はいますか?
三吉:ライバルではないですが、唯一の親友で、小さいときからずっと一緒に仕事をしてきて、幼馴染みたいな感じの女の子がいるんです。同い年で同じ雑誌に出ていたりしたら自然と意識し合うのかな、と思いきや、2人とも全くお互いのこと興味がないんじゃないか、というぐらい意識もせず。ですが、気づいたら寄り添っていて、辛いことや楽しいことを全部共有してきています。私の家族のことや恋愛のこと、プライベートのことを唯一全部知っている子はいますね。
Q.今回、時代劇に挑戦されたことについては、何か言われましたか?
三吉:今回の作品は公開をとても楽しみにしてくれていて。最初の一言が、このパンフレットを見たのか「ねえ、強いね」って。
一同:(笑)。
三吉:一言だけ連絡が来て。「でしょ?(笑)」ってやりとりをしたのをすごく覚えています(笑)。
Q.蛍の飛んでいるシーンで、雷と凛子が「生まれ変わったら何になりたい?」と話す場面がありますが、「生まれ変わったらこうなりたい」とか「芸能関係以外でこんなお仕事をやってみたい」などはありますか?
三吉:何になりたいだろう。人間でなければなんでもいいなあ(笑)。芸能でなかったら、やりたい職業として保育士になりたかったですね。子どもがすごく好きで、特に保育園の保育士になりたくて。いいな、と思っていた時期がありました。身近に保育士の人がすごく多くて。子どもを一緒にお世話したりとか、まだ首が座ってない子の面倒を見たりすることがけっこうあったのですが、子どもと触れ合っているのいいなあ、と思います。
ありがとうございました。
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[プロフィール]
三吉彩花
1996年6月18日生まれ、埼玉県出身。2010年、ファッション誌『Seventeen』でミスセブンティーン2010に選ばれて以降、同誌のトップモデルとして人気を誇り、“女子高生のカリスマ”とも呼ばれた。7年間の専属モデルを経て2017年に同誌卒業。現在は雑誌「25ans Wedding」のカバーガールを務めている。女優としては、映画『グッモーエビアン!』(12)『 旅立ちの島唄~十五の春~』(13)に出演し、第35回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ『まかない荘2』(17)『警視庁 捜査一課長』(20)。映画では500人の応募者の中からヒロインに抜擢された『ダンスウィズミー』(19)や大ヒットホラー『犬鳴村』(20)、ヒューマンドラマ『Daughters』(20)など主演作が次々と公開している。本予告
Q.今回のタイトルにちなんで、「悪魔」「天敵」「これだけは苦手」みたいなものはありますか?
三吉:小麦ですね。もともとパスタや麺類がすごく好きで、小麦を摂取していたのですが、ある時から急にかゆくなり始めて「およよ、これは?」と思ってアレルギー検査をしたら、小麦が引っかかって。もちろん遅延型なので食べてもいいんですが、小麦だけ数値が抜群に高くて。スーパーに行っても、グルテンフリーの麺類のコーナーを見なくてはいけなくて。そこまで過剰に気にする必要はないと思うのですが。(小麦を)摂取しなければいいのですが、意外とそれが大変で。
Q.雷がタイムスリップして、普通だったらああいう感じでだんだん慣れていくと思うのですが、タイムスリップしたら、すぐ順応できるタイプか、割と戸惑うタイプか、どちらだと思いますか?
三吉:徐々に慣れていくタイプだと思います。衛生面は全然大丈夫で。去年1人でパリに行ったのですが、急に気を失って倒れて、救急車で運ばれたんですね。さすがに最大のハプニングで、一応パッて目を開けたら、倒れたお店のところにいて、周りの人がフランス語と英語で「大丈夫か?」みたいに言っていて。血圧が低すぎて「(救急車に)乗りなさい」と言われて。たまたま日本人のPRの方に連絡できて、一緒に救急車に乗ってもらいました。それをクリアしたので、けっこう大丈夫かな、と思います。
現在、就職試験59連敗中! フリーターの伊藤 雷は文武両道な弟に引け目を感じていた。そんなある日、『源氏物語』に関するイベント設営のバイト帰りに、家の付近で激しい雷雨に見舞われ、バイト先でも目撃した不思議な光に吸い込まれて気を失った。目が覚めるとそこは何と平安時代、あの紫式部によって書かれた『源氏物語』の世界だった!タイムスリップしてしまった雷は、皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮に出会う。口から出まかせで陰陽師“雷鳴”を名乗り、息子を帝にしようと野心に燃える弘徽殿女御に翻弄されながらも次第に触発され、一念発起する―。
Q.今回、弘徽殿女御を演じてみていかがでしたか?三…
Q.もともと着物やお琴など、和風文化に興味はあった…
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現在、就職試験59連敗中! フリーターの伊藤 雷は文…
映画概要
【十二単衣を着た悪魔】
2020年11月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
出演:伊藤健太郎 三吉彩花
伊藤沙莉 田中偉登 沖門和玖 MIO YAE 手塚真生 / 細田佳央太 LiLiCo 村井良大 兼近大樹(EXIT)
戸田菜穂 ラサール石井 伊勢谷友介 / 山村紅葉 笹野高史
監督:黒木瞳
原作:内館牧子「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」(幻冬舎文庫)
脚本:多和田久美
音楽:山下康介
雅楽監修:東儀秀樹
主題歌:OKAMOTO’S 「History」(Sony Music Labels)
制作・配給:キノフィルムズ
制作:木下グループ
公式サイト:映画『十二単衣を着た悪魔』
公式Twitter:@12hitoe_movie
公式Instagram: 12hitoe_eiga
©2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー
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